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21年春に移住。在住歴はまだ浅いですが、好奇心旺盛な私の紹介するスイスワールドをお楽しみください!

【le Shuttle】車でスイスからイギリスへ

先週はイースター休暇に繋げて車で10日間イギリスの田舎町を巡る旅をしてきました。
今回は車でスイスからイギリスへ行った方法について紹介していきます。

ブログを読む際に頭に入れておいてほしいことは、以下の2つの理由から「ロンドンを観光するだけならば、イギリスに車で行くのはおすすめできない」ということです。
1.ロンドン市内は交通量が多くて運転が不便

2.排気量が多い車で市内の一定区間内を走る場合は、通行料を払う必要がある
(有料なのに加えてオンラインでの登録が面倒)

1. 鉄道とフェリーの比較

フランスとイギリスを車で移動する場合は電車かフェリーの2つの方法があります。 
鉄道とフェリーの値段と所要時間を比較すると以下の通りです。              

      

フェリーの所要時間は電車の場合に比べて倍以上かかり、電車の方が船に比べて料金が高いです。
複数の船会社が比較できるサイトDirect Ferriesによると、フランス⇔イギリス間には以下の10ルートがあるようです。

では、スイスからイギリスまで鉄道を使って車で移動した方法について、早速説明していきます。

2. le Shuttleとは

le Shuttleは、イギリス(Calais)ーフランス(Folkestone)間を英仏海峡トンネル(ユーロトンネル)を通って、車に乗ったまま移動できる鉄道です。

3. Zürich~Calais港の移動

Zürichに住む私たちは、高速道路に乗ってBasel経由でフランスのCalais港まで行きました。

3.1. 移動時間は約10時間

グーグルマップによるとZürichからCalais港まで高速道路を使って移動すると8時間45分かかります。休憩時間を含めて最低でも10時間は見積もっておくと良いでしょう。
また道中にフランスのどこかで1泊して、2日間かけてCalaisに向かう方法もあります。

高速道路から見える景色は広大な農地ばかりですが、スイスでは見られないような巨大な農機も見られます。春は所々に大きな菜の花畑が見られて素敵です。

また途中で第一次世界大戦のヴェルダンの戦いの舞台にになったVerdun、ソンムの戦いがあったSomme、バルジの戦いが起こったArdennesを通過しました。
高速道路から見える範囲では畑が広がっているだけで、戦争の絵が描いてある標識を見ただけでした。

3.2. 高速道路料金は片道約100€

使うルートにもよりますが、私たちはフランス国内の高速道路で片道約100€払いました。

フランスの高速道路には日本のETCのような電子支払いシステムLiber-tというものがあります。
これがなくてもフランスの高速道路に乗ることはできます。
しかし料金ゲートを通過の際は、以下の写真のようなtがついた看板のあるレーンに行かないように注意が必要です。

       

3.3. 最高速度は時速130キロ

フランスの高速道路は、区間によっては時速130キロで走ることができます。
しかしスイスと同様にスピードカメラがありますので、速度制限がある区間では注意が必要です。

3.4. ウインカーの使い方の違い

日本やスイスの交通ルールに慣れていると、フランスのウインカーの使い方を見て戸惑うことがあると思います。

日本だと車線変更したい場合は、車線変更できる状況になってからウインカーを出すのが一般的です。
しかしフランスの場合は、自分が車線を変更したいと思ったら変更車線先の状況にかまわず(真横を他の車が走ってようと)ウインカーを出し、車線変更できるようになってから変更する車が多いと感じました。
日本やスイスの交通ルールに慣れている方は、フランスで他の車が出すウインカーに惑わされないように気を付けてください。

3.5. 安全ベスト積載の義務

フランスでは2008年から一台につき必ず最低一枚、EN ISO 20471認証のWarnweste(安全ベスト)が車にないと違反になります。
私たちは、帰りにイギリスからフランスに戻る際に、警察官にベストを持っているか質問されました。

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3.6. 給油は最低でも1回は必要

走る速度や車の燃費にもよりますが、道中は最低でも1回は給油することになります。
私たちの車は燃費が悪いので2回も給油が必要でした。
パーキングエリアの手前にガソリンの値段を表示した看板があるところもあります。
港の近くにガソリンスタンドはありますが、チェックインして港内に入ると給油できる場所はありません。

4. 港に到着してから乗車するまで

4.1. チェックイン

簡単な流れはこのような感じです。
チェックイン→フランス出国→イギリス入国→乗車待機→列車に乗車

まずCalais港に到着したら車に乗ったままチケットを発券(チェックイン)します。

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この日はイースター休暇の初日であり、学校が長期休みであることから大変混雑していました。復路はとても空いていてチェックインは待たずにすぐにできました。

タッチパネルに予約番号を入力した後に、列車の時刻を選択し(早く着いた場合には空いている次の列車を無料で選択できます)、ペットの有無や車の種類を選択します。
最後にチケットが発券されるので、ミシン目に沿って上の部分に穴をあけて、係員が見られるようにミラーの部分に掛けます。
大きく書かれているN5が自分のグループです。

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港内に大きな建物があり、簡単な軽食が購入できるお店とスターバックス、Dutyfree(主にお酒)、キオスク、トイレが入っています。
ターミナル内にガソリンスタンドはありません。

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チェックインしてから電車までの時間が1時間くらいでトイレ休憩する必要がなければ、そのまま出入国手続きのレーンに向かいます。

出入国手続きの混雑状況にもよりますが、休日の場合はチケットを発券してから出入国手続きをして列車に乗車するまで、約1時間かかります。空いている時間帯は30分くらいなのではないでしょうか。

電車の出発時間までに1時間以上ある場合は出国ゲートには進まずに車を停めて、自分の予約した時間になるまで待つ必要があります。
休憩所や公式サイトで、どのグループまでが出国ゲートに向かうようコールがかかっているか確認できます。

ターミナル内が混雑している状況で、出発時間よりもとても早い段階から並んでいると、係員がミラーに掛けられたチケットからグループを見て、少し待ってから並ぶように声をかけられる可能性があります。

電車の出発時間までに1時間以上あり、駐車場内までに出国ゲートへの渋滞ができるまでに混雑している場合は、注意が必要です。
この時は車を入り口から手前側にある空いている駐車スペースに停めるのではなく、できるだけ渋滞に並んで奥側にある駐車場スペースに停めるのがおすすめです。
混雑している時に車を手前側に停めて待っていると、いざコールがかかっても駐車場まで伸びている渋滞の後ろ側に割り込むことになるからです。
このことから最初に車をできるだけ奥側に停めていると、コールがかかってからは渋滞の真ん中(駐車していた所)から割り込むことができるので、短い時間で出国ゲートまで辿り着くことができます。

4.2. 出国、入国手続きは出発国で

イギリスはシェンゲン協定を結んでいないことから出入国手続きがあります。
このことから有効なパスポートがないと出入国できません。

出入国手続きは車に乗ったまま行います。
往復両方とも、チェックインしてから電車に乗るまで、この出国入国審査のための渋滞で1番長く待ちました。
フランスからイギリスに向かう場合は、フランス側で出国した後に200メートルくらい先にあるイギリスの入管で入国手続きを行います。

日本のパスポートを持っている私は、フランスを出入国した際は写真のスタンプが押されました。
スタンプの左側にはフランス「F」とあります。
右側には車のマークがあります。
空路で入国した場合は飛行機のマークがあるので珍しいですね。
フランスを出国する際は、日本以外の他の国のパスポートも持っているか質問されました。

イギリスの出入国ではスタンプは押されませんでした。
また復路でイギリスに入国する際は、滞在目的を聞かれました。

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4.3. 出国後から乗車まで

イギリス入国審査が完了した車から案内に沿って列車に乗るまで複数レーンで1列になって待機します。
列車の準備が完了したら青信号になるので、車ごと乗りこみます。
自分で予約した列車を選んで乗るわけではなく、イギリス入国が済んだ車から次の電車に乗るような感じです。
このことからチェックインで発券したチケットを係員に見せるようなことはありませんでした。(出国ゲートに並んでいる時に見られる程度です)

電車のホームはこのような感じになっています。
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ここから車ごと電車に乗ります。

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乗車した後は前の車に続いて進み、係員の指示に沿って前の車との距離を詰めます。
その後に「パーキングモードにする(マニュアル車の場合は1速)」「エンジンを切る」「ハンドブレーキを引く」ように伝えられます。
前後の車両間のドアが閉まったら、車を降りて車内を歩くこともできますが、降りている人はほとんどいませんでした。

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ホームページには電車の中にもお手洗いがあると記載がありますが、出国前のターミナルで行った方が無難かと思います。

乗車時間は25分です。
イギリスの時間はフランスに比べて1時間遅いので、イギリスの現地到着時間はフランスの出発時間の25分前になります。
イギリスからフランスに戻る場合はイギリスの出発時間の1時間25分後がフランスの現地到着時間です。

乗車中は特にやることがありません。
列車に窓がありますが、トンネルの中を走るので景色が楽しめるわけでもありません。
接続可能なネットワークがあれば、トンネルの中でも使えます。
到着後はいきなり左側を走らされるわけではなく、道路に沿って走ると高速道路のような道に出て気づいたら左側を走っているような感じなので、そこまで神経質にならなくても大丈夫だと思います。

帰りにイギリスからフランスに帰る場合の流れは、行きとほぼ同じでしたので、説明を省略します。

5.電車の予約

5.1. 予約方法

le Shuttleのチケットはle Shuttleのホームページから予約が可能です。

www.eurotunnel.com

希望の日程(今回は試しに1か月後の日程で)と出発地と到着地(両国とも1つなのでフランスから向かうのか、イギリスから向かうのか)を選択してSearch and Bookをクリック。

スイスから向かう場合は、イギリスやフランスで登録された車両ではないので、「Make &Model」を選択して、車種を入力します。ここではマツダプレマシーを入力してみます。
その後に車に関する質問に答えてContinueをクリック。

そうすると、まずは往路の予約可能な時間とチケットの値段が表示されます。
電車の値段は乗車人数ではなく、1台ごとに計算されます。

この日程(平日)の場合、基本的に電車は1時間あたり2本ですが、8時~12時の間には1時間あたり3本出ています。

時間帯をクリックすると以下のように列車の時刻を選択できます。出発時間の決め方については、後で説明する予約の変更条件を参考に決めてください。

往路を選んだあとは復路を選択します。全部選択し終わるとサマリーがみられます。
この内容で問題がない場合はログインするかゲストとして進むかを選びます。

ペットを連れていく場合は次のページで出てくるここで情報を入力をします。
この後に搭乗者情報と支払情報を入力して、予約が完了します。

予約が完了した後、確認のメールが送られてきます。事前に搭乗者のパスポート情報を入力する必要がありますので、忘れないように。

到着は予約の1時間前までに

ホームページのCheck-in timesによると、チェックインは予約時間の4時間前~1時間前に可能です。
このことから、遅くても乗車時間の1時間前には到着してチェックインする必要があります。

5.2. 当日の予約変更条件

ホームページに2022年4月末時点に書かれている情報によると港でチェックインする際に一定の条件のもと当日や24時間以内に予約が変更できるそうです。

  • チェックインする時間が予約時間の前後2時間以内の場合
    →空いている便がある場合、無料で早い時間に選択可能
  • チェックインする時間が予約時間の前後2時間以上24時間以内の場合
    →空いている便があること、変更便との差額を支払うことで、予約時間の変更可能
  • 予約時間の24時間以上後に到着した場合、予約は無効

What happens if I arrive early or late?

If you check-in within 2 hours either side of your reserved time, within the validity of your ticket you may be offered a space on the next departure with availability without charge.
If you check-in more than 2 hours but no more than 24 hours before or after your reserved time, your booking may be exchanged, subject to availability and payment of the difference between the price you paid and the price applicable to the departure for which your booking is exchanged.
If you arrive more than 24 hours after your booked departure time, your booking will be invalid and cannot be exchanged.

5.3. 予約は早い段階の方が安い

電車の予約は早い段階で行った方が安いので、早めに予約するのがお勧めです。
試しに同じ条件で調べたものを比較してみると以下の通りです。

当日の値段

翌日の値段

一週間後の値段

一か月後の値段

本ブログで紹介している内容は私の実体験と公式ホームページに掲載されている内容をもとに書いたものです。
特に予約の変更条件などは、最新の情報はLe Shuttleのサイトを確認してください。

 

以上が私たちがスイスからイギリスまで、le Shuttle(鉄道)を利用して移動した方法についてでした。
この記事が、車でle Shuttleを使ってイギリスとフランス間を移動する人の参考になりますように。

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