【telc C1 Hochschule】Lesen Teil 2 攻略法
前回はLesen Teil2の問題解説をしました。
今回はLesen Teil2の攻略方法を説明します。
今までのtelc C1 Hochschuleに関する記事:
- telc C1 Hochschule 試験の概要
- 問題形式と簡単なアドバイス
- テストに向けた4か月間の勉強内容とレベルの変化
- 使った問題集とレビュー(1/2)
- 使った問題集とレビュー(2/2)←読解の勉強方法を紹介!
- Lesen(読解)Lesen Teil 1 解説
- Lesen(読解)Lesen Teil 1 攻略法
- Lesen(読解)Lesen Teil 2 解説
- Lesen(読解)Lesen Teil 2 攻略法←今回の内容!
- 1. 問題の進め方
- 2. 重要な内容の「合図」
- 3. 問題に出てくる例
- 3.1. Definitionen liefern 定義づけ
- 3.2. Zweifeln 疑念
- 3.3. vermuten 推測
- 3.4. Prognose 予測
- 3.5. widersprechen 反論
- 3.6. 警告と批判の違い
- 3.7. warnen/Mahnung 警告
- 3.8. kritisieren 批判
- 3.9. polemisieren 攻撃
- 3.10. amüsieren からかう
- 3.11. bedauern 残念がる
- 3.12. ergleichen 比較
- 3.13. Gründe nennen 理由説明
- 3.14. Bedingung formulieren 条件説明
- 3.15. Empfehlung aussprechen 推奨
- 3.16. Mitmenschen appellieren 共感
- 3.17. Hoffnung ausdrücken 希望
- 3.18. Ironisieren 皮肉
- 3.19. Ereignisse zusammenfassen 出来事
- 3.20. fremde Einschätzung 他人の意見
- 4.1 ポジティブ/ネガティブな語
特に、Teil2の問題が解けずに悩んでいる方は、私のアドバイスを参考に意識的に文章を読むようにすると、答えが見つけやすくなるかもしれません。
1. 問題の進め方
①問いを読んで、横にどの項目か日本語で訳を書く(警告、批判、皮肉・・・など)
この部分は、問題を解くにあたって何回も見直すことになります。
このことから、日本語でパッと読めたほうが楽で効率が良くなるので、私は横に日本語をメモして進めました。
②段落を1つずつ読み、問いに当てはまりそうな部分に☆マークをつけて選択肢をメモする
問いに該当しそうな部分が出てきたら、必ずその部分に線を引いて目立つように☆マークなどをつけます。
後で内容を確認したくなった際に(複数の段落が候補に挙がった際など)、1から段落を読まずに該当部分のみを素早く見直せるようにするためです。
ここで大切なことは、一瞬でもピンときたものは、自信がなくてもできるだけ☆をつけておきましょう。
迷って何もメモをしないまま読み進め、結局どの段落の候補もないまま読み終わった場合、また1から読み直すことから時間が無駄になってしまうからです。
また一瞬の迷いで、正しい段落が正解に見えないと判断して除外してしまうこともあるからです。
理想は、ピンポイントで正しい段落を1つだけ選べることです。
しかし、私は当時そこまで高い読解力と自信がなかったので、できるだけ候補を挙げていく方法で進めました。
最終的にいくつかの候補から答えを選んだ方が、ピンポイントで1つ選ぶよりも自分の答えに確信が持てましたし、見直しの際も☆の部分を再度比較するだけで済んだので楽でした。
③1つの問いに対して複数の候補がある場合、最終選考をする
1つの問い対して複数の段落が候補にある場合、ここでもう一度問いの文章を読み直します。
問題に対して複数の段落が候補にある場合、問題文を再度読みながら段落の該当部分同士を比較して答えを選びます。
私は何度も複数の段落候補から正解を選ばなければならない場面に遭遇しました。
問題文と段落の該当部分のみを見比べるのではなく、該当部同士を比較してどちらがより問いに近いかを考えると、より答え確信を持った答えを見つけられると思いました。
2. 重要な内容の「合図」
筆者は読者に「注目してほしい場面」では、「特殊な表現」を用いて読者が注目するように仕向けます。
「注目してほしい場面」とは、筆者が意見を述べる時や、読者の頭に入れておいてほしい内容などです。
「特殊な表現」とは、以下に紹介する文法や話法を用いることによって、その他のそこまで重要でない内容と差をつける為に用います。
・話法の助動詞
(können, dürfen, sollen, müssenなど)
・接続法二式
(婉曲表現)
・強調
(sehr, ziemlichなどの副詞)
(nicht nur sondern auchやnicht ...sondernなどの話法)
・疑問文
・""(クオーテーションマーク)
(重要な語を用いる場合や、語を通常とは別の意味で用いる場合)
・否定
(例えば"Es ist eine gute Idee."と書かずに、"Es ist keine schlechte Idee."と書いてあると、何かIdeeに関して引っかかる部分があるのではないかと推測することができます。 )
以上の表現が、必ずしも毎回筆者が注目してほしい内容とは限りません。
しかし、このような表現に気を付けて読むことによって、文中の重要な部分が見つけやすくなります。
またTeil2の問いに当てはまる内容は、このような「合図」の近くに潜んでいることが多いことから、答えが見つけやすくなる利点もあります。
「合図」の箇所に必ずしも答えにつながるようなキーワードが出てくるわけではありませんが、「合図」が見つかった際は、該当段落が問題文のどれかに該当しないか考えながら読みます。
3. 問題に出てくる例
テストで出てくる問いの内容は毎回異なります。
しかし実際にテスト本番で見たものは、既に過去問で何度か見たことがあるようなものばかりでした。
つまり、過去問の演習を通して各問いがどのような文体で、またどのような語を用いて文章内に出てくるかの傾向を掴めるようになることが大切です。
例えば"warnen"「警告する」と"kritisieren"「批判する」はどちらもマイナスな語を用いて表現する内容です。
同じ文章内で警告と批判に関する段落をそれぞれ選ぶ場合、2つの違いを明確にして探し出せるでしょうか?
ここからは私がテスト勉強の時に見てきた問いの内容と、傾向をまとめたものを紹介します。
問題集やテストによっては別の文体で表現される場合もありますので、概要を掴むための参考程度に読んでください。
3.1. Definitionen liefern 定義づけ
何かの語の意味を説明しているようであれば、定義づけになります。
定義を説明するタイミングは、基本的にその語が文中で初登場する時です。
その語が出てくるタイミングにもよりますが、一般的には全体の中でも最初〜真ん中の部分に出てくる可能性が高いです。
定義を説明する際には、語を初登場させる際に""で囲ったり、発案者の名前も一緒に紹介する場合もあります。
よく見られる文体:
・語をクォーテーションマーク("")で囲む
・bezeichnen, heissenなどの動詞
3.2. Zweifeln 疑念
ある事柄に対して疑念を表現する場合、読者に自分の意見と誤解されないためにも、その内容に対して距離を置くような語を使って合図します。
よく見られる文体:
・angeblich(自称の、名目上の)
・scheinen(~のように見える)
・sollen(~という噂である)
・接続法一式(間接話法)
3.3. vermuten 推測
事実や確信の内容を述べる場合は断定的な表現を用いますが、まだ証明されていない内容であったり、筆者が断定として説明したくない場合は「推測」という形で表現しています。
読者に「既に証明された内容」や「筆者の断定」と勘違いされないために、以下のような特定の語を用いて合図します。
よく見られる文体:
・特定の動詞
(scheinen, annehmenなど)
・特定の助動詞
(mögen, könnten, solltenなど)
・特定の副詞(特に確率を表すもの)
(anscheinend, möglicherweise, vielleicht, wahrscheinlichなど)
・特定の形容詞
(denkbar, vorstellbarなど)
3.4. Prognose 予測
将来に起こりうる内容を説明することを指します。
未来のことなので、現在形ではなく未来形で表現します。
よく見られる文体:
・werden(未来形)
・将来を指すような語(in Zukunft, zukünftig)
・具体的な時期を指す語(in 3 Jahren, 21. Jahrhunderts)
3.5. widersprechen 反論
ある事柄に対して反論する際は、筆者の意見と反対の内容を最初に説明してから反論する場合が多いです。
3.6. 警告と批判の違い
警告と批判はどちらもマイナスの語を使うので紛らわしいです。
私は以下のように時制の点から意味を区別しています。
警告:「まだ現時点では起こっていない未来のことに対して、将来起こるべき可能性のあるマイナスな事象もの」(中立的や良い事象については「推測」や「予測」に分類)
批判:「すでに起こっている現在や過去のことに対してマイナス評価をしているもの」
3.7. warnen/Mahnung 警告
現時点ではまだ起こっていないが、将来起こりうる可能性のある悪い事象に対して使います。
また悪い事象に対して使うことから、マイナスな意味の語(stören, bedrohen, Gefahr, Risikoなど)を組み合わせて使います。
場合によってはkönnen+マイナスな語の組み合わせで書かれることもあります。
können(かもしれない)を用いて、まだ起こっていないことを示すためです。
また悪い事象が起こりうる条件を説明する為や、仮定の表現にするためにwennなどの従属接続詞を用いることもあります。
よく見られる文体:
・die Gefahr
・das Risiko, das Wagnis
・マイナスの影響をもたらす語(störenやbedrohenなど)
・können(かもしれない)+マイナスの語
・würden+マイナスの語
・wenn(仮定、条件)
3.8. kritisieren 批判
批判をするということは、物事に対してマイナスの評価をしている部分が当てはまります。
Teil2の問いは毎回"In welchem Abschnitt ... der Author..."(どの段落で筆者は~)と始まっていることから、単に事実が客観的にマイナスな語で表現されているものが当てはまるわけではありません。
筆者の意見としてマイナスな語が使われている部分を選ぶ必要があります。
場合によっては、自分の批判を読者に納得させるために誇張して表現することもあります。
例えば以下の2つの例文をみてみます。
どちらとも「故障」という良くない印象を与えうる語(マイナスの語)を用いています。
1. 車のエンジンが故障している。
2. エンジンが故障しているが、なぜちゃんと点検をしていないのか。
1.はエンジンが故障しているという事実を伝えているだけなので、筆者の立場が必ずしも批判とは限りません。
もしかしたら意識的に故障させることに成功したことを褒めていると考えることもできるからです。
2.は「なぜんちゃんと点検をしないのか」とエンジンが故障している事実に対して批判を述べていることから、批判の内容であると考えられます。
つまり事実を説明しているだけなど、中立的な立場でマイナスな語をつかっているものは当てはまりません。
私は問題演習している時、文章を読みながらその場でパッと自信をもって批判の部分を見つける自信がありませんでした。
このことこから、毎回文章でマイナス表現が出てきたら丸で囲って、全部読み終わってから「筆者の立場としてのマイナス表現」を該当部分同士を見比べて答えを選ぶようにしました。
よく見られる文体:
・マイナスな語を用いた表現
・現在形か未来形
・誇張表現
3.9. polemisieren 攻撃
これには物事に対して攻撃的な表現(マイナスな意味)をしているものが当てはまります。
イメージ的には「悪意のあるような表現」をしているものや、悪いものに例えたり(比喩)しているものです。
この語に当てはまるものはkritisierenと同様に、筆者の立場としてマイナスな語が使われているものになります。
このことから、事実を説明するなど中立的な立場でマイナスな語をつかっているものは当てはまりません。
よく見られる文体:
・マイナスな語を用いた表現
3.10. amüsieren からかう
筆者がからかっている内容なので、特定の事象に対して馬鹿にするような表現が当てはまります。
よく見られる文体:
・馬鹿にするような表現
・疑問形(そんなことも・・・?)
3.11. bedauern 残念がる
筆者が残念な感情を表現している部分です。
よく見られる文体:
・残念さを表現するような語
(unglücklicherweise, bedaulicherweise, leider, es ist schade, bedauerlich, dass...など)
3.12. ergleichen 比較
比較されているということは、2つの事象について書かれていることが前提になります。
よく見られる文体:
・形容詞の比較形(類似しているものに対して)
・Im Gegensatz(対照のものに対して)
・auf der anderen Seite(対照のものに対して)
3.13. Gründe nennen 理由説明
理由を説明している部分を指します。
よく見られる文体:
・特定の動詞
(auf 4 beruhen, zu 3 führen, zurückzuführen sein auf, auslösen, bedingen, basieren auf )
・特定の副詞
(daher, deshalb, deswegen)
・特定の前置詞
(wegen, aufgrund von, infolge)
3.14. Bedingung formulieren 条件説明
条件を提示しながら説明する場合、以下の語を用います。
よく見られる文体:
・wenn(条件)
・auf 4 ankommen(Das kommt darauf an...)
・damit... muss....
3.15. Empfehlung aussprechen 推奨
第三者に対して推奨する場合、以下の語を用います。
よく見られる文体:
・sollten
・ratsam(Es wird ratsam, wenn...など)
・主語にwirを用いる
3.16. Mitmenschen appellieren 共感
読者に対して共感を求めている内容なので、読者に一体感を感じさせるために主語に“wir“を用いている場合が多いです。
よく見られる文体:
・主語にwirを用いる
3.17. Hoffnung ausdrücken 希望
希望の話なので、まだ起こっていない将来のことを指します。
könnenなどの話法の助動詞とプラスの内容を組み合わせて、将来に筆者が起こってほしいと思う内容を説明します。
よく見られる文体:
・können(かもしれない)
・werden(未来形)
・hoffentlichなどの副詞
・hoffnungsvollなどの形容詞
・期待する良い結果を説明(多くの場合)
3.18. Ironisieren 皮肉
物事を遠回しに非難するのが皮肉です。
直接的に非難しているのは皮肉ではなく、ただの批判になります。
皮肉を見つけ出す方法は、本来とは逆の意味を伝えている部分を探します。
例えばレストランで店員に「今回は今までで一番美味しくなかった」というのは直接的な批判です。
しかし、「今回は今までで一番美味しかったので、バーテンダーが作ったのかと思った」というのは皮肉です。
通常はバーテンダーは飲み物を作るのがメインの仕事なので、シェフに代わってバーテンダーが作った料理の方が美味しいのは「通常では」あまり考えられない内容です。
しかし敢えて「今まで一番美味しかった料理」を「バーテンダーが作った」と表現することで、皮肉に「食事が美味しくなかったこと」を伝えています。
皮肉を見つける時には、本文の内容とは少し離れた語が使われている部分に注目することです。(ここでは食事ーバーテンダーの組み合わせ)
よく見られる文体:
・本来とは逆の意味での表現
・本文とは関係ない語の使用
3.19. Ereignisse zusammenfassen 出来事
直訳すると「出来事をまとめたもの」と言う意味です。
つまり、ただ単に結果が書いてあるだけでなく、どのような状態からどうなったかなどの経緯が書いてあるものが当てはまります。
よく見られる文体:
・時系列で結果までの流れが書かれている
・順序立てて説明する際に使われる副詞
(zuerst, dann , danach, schliesslichなど)
3.20. fremde Einschätzung 他人の意見
他人の評価や意見を引用している段落を探します。
他人の評価などを引用する際、基本的には発言者の名前も書きます。
このことから、本文内で第3者の名前などが登場する部分を探すと見つけやすいです。
4.1 ポジティブ/ネガティブな語
今回の説明で何度も「ポジティブ」や「ネガティブ」という説明をしました。
以下に私が今までの文章で見てきた、それぞれに当てはまる形容詞を紹介します。
このような語を見たら「ポジティブ/ネガティブな表現が使われている!」とピンとくるようになると、問題を解くにあたって便利です。
Schreibenで"gut"や"schlecht"だけでなく、以下のような形容詞も使えるようになると、語彙力の評価ポイントを上げられるようになります。
4.1.1. ポジティブな形容詞
vorteilhaft, vielversprechend, günstig, förderlich, aussichtsreich, herrlich, sinnvoll, prblemlos・・・など
4.1.2. ネガティブな形容詞
problematisch, ungünstig, nachteilig, gefährlich, risikoreich, bedrohlich, schwierig, drastisch・・・など
以上がtelcの公式ホームページで見られる模擬試験(Übungstest 1)Lesen Teil 2の攻略方法です。
紹介した内容は一例なので、必ずしもこのような文体で書かれるとは限りません。
本記事の内容は参考程度にしておいてください。
次回は「Teil 3の解説」を紹介します。
ドイツ語に関する記事のみを見たい場合はこちらからアクセスしてみてください。
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