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【telc C1 Hochschule】Schreiben 攻略法

今までtecl C1 HochschuleのLesenとHörenについて問題を解くコツや勉強方法について書いてきました。

今までのtelc C1 Hochschuleに関する記事:

  1. telc C1 Hochschule 試験の概要
  2. 問題形式と簡単なアドバイス
  3. テストに向けた4か月間の勉強内容とレベルの変化
  4. 使った問題集とレビュー(1/2)
  5. 使った問題集とレビュー(2/2)
  6. Lesen(読解)Lesen Teil 1 解説
  7. Lesen(読解)Lesen Teil 1 攻略法
  8. Lesen(読解)Lesen Teil 2 解説
  9. Lesen(読解)Lesen Teil 2 攻略法
  10. Lesen(読解)Lesen Teil 3 攻略法
  11. Lesen(読解)Lesen Teil 3 解説
  12. Lesen(読解)Lesen Teil 4 攻略法
  13. Hören(聞き取り) 攻略法
  14. Schreiben(論述) 攻略法←今回の内容!

今回はSchreibenのコツや勉強方法について、私が実際に書いた文章をもとに説明していきます。

前置きとして、私の文章の構成や書き方はドイツ語の先生と一緒に考えたものですが、ドイツ語の先生はtelc C1 Hochschuleテストの専門の先生ではありませんでした。
Schreiben単体で合格点の60%以上の点数をもらうことができましたが、実際に自分の文章が実際の試験官にどのように評価されていたかは分かりません。
このことから本記事の内容を保証することはできませんので、ご了承ください。

1. 内容構成

文章を毎回同じ構成で書くことにより、文章構成に慣れることが大切です。

私は毎回以下のような流れで書くようにしていました。

あるテーマに対して賛成意見と反対意見の両方を紹介して最後に自分の意見を書く

1.1. 自己流のひな型

私が何度も文章を書きながら先生と相談して完成させた、自己流のひな型を紹介します。
毎回この流れに沿って文章を書くことによって、自然と順序立った分かりやすい文章を書けるようにしました。

1.1.1. Einleitung

冒頭部分は、読者がテーマの内容に入りやすくする為に書くものです。
例えばテーマの定義を説明したり、ドイツや自分の国での状況を書きます。
Schreibenの評価項目に「信ぴょう性」は含まれていないことから、内容の正確さについては考えなくても問題ないと思います。

例えば以下のような感じで書きます。
◆テーマ「長期休暇中のインターン」◆

質問提起することにより、導入部分から本題へ移りやすくなります。
読者に対して、これからどのような内容がくるのかを伝えることができるからです。

このことから、本文で出てくる賛成意見や反対意見と関連する内容を疑問文で書きます。


文章を全部書き終わった後は、この質問部分が本文の内容とずれていないかを確認するようにします。

1.1.2. Hauptteil

ここから本題に入ります。
この部分ではまだ自分の立場を明確にせず、ただ中立的に「このような理由で賛成する人がいる」「このような理由で反対する人がいる」というような感じで書きます。

賛成の内容と反対の内容の書く順序は自由ですが、私は自分の立場のものを後に書くようにしています。
自分の立場については様々な理由が思いついて書きやすいので、後に書くことによって、文字数が足りなさそうな場合にボリュームを増やしやすいからです。

反対の内容

賛成の内容

1.1.3. Schluss

ここで自分の立場(賛成か反対か)を表明して、理由を書きます。
解答用紙の埋まり具合によっては、最後に「自分は今後こうなってほしい」などの想いを2~3文付け加えて書き終えます。

1.2. 実際の文章

実際に私が先生に添削してもらって完成させた内容をこれから紹介します。

以下のような語をマーカーで塗って目立つようにしてあります。

黄色:毎回必ず使う表現、文章
水色:他の文章でもできれるだけ使うようにしたい表現

1.2.1. テーマ「長期休暇中のインターン

1.2.2. テーマ「高齢者の免許証返納」

2. 文章を書く流れ

2.1. 書き始める前の準備

350語もの長い文章を70分以内に書くことから、集中して書かないと時間が足りなくなってしまいます。

時間を節約するために短時間でパッと考えた後に書きだしてから、やっぱり一貫性がない、または何か違うと思い、既に沢山書いた部分を消して書き直すと、書き直している時間が無駄になるだけでなく、焦り始めて文法やつづりでミスをしてしまう可能性があるので危険です。

最初に時間をかけすぎないで後でつまずくよりは、最初にじっくり時間をかけて自分で書く内容を明確にしてからスタートする方が落ち着いて書けるので、最終的には良い文章を書ける可能性が高くなります。

まずは書く前の準備を以下の手順で行います。

①テーマを選ぶ

2つのテーマを読んでどちらについて書きたいかを決めます。

②引用文を確認

2つの意見を読んで、それぞれが賛成の意見なのか反対の意見なのかをプラスかマイナスで横に書きます。
最初に内容を整理して、文章を書いている時にも素早く確認できるようにするためです。

③自分の立場

自分は賛成か反対かどちらの立場なのかを決めて右側に☆マークなどをつけておきます。

④理由をもう1つ

問題文に書かれている意見以外に、もう1つだけ自分で何か理由を考えてメモします。

私の場合、問題文に書かれている理由のみを取り上げて書いていると350字に達しないからです。

⑤導入部分の内容

導入部分の内容を考えて、キーワードをメモします。

3. 気を付けたいポイント

3.1. 確実に350字以上、書きすぎない

文字数が多すぎると、その分多くの時間を使うことになるので、最後に見直す時間が短くなってしまいます。

このことから350字以上は必須ですが、できるだけ多すぎずに350字に近い文字数で書けるようになることが重要です。

練習方法として、「清書版」(後で詳しく説明します)を350字近くで作成し、解答用紙に書き写してみます。
350字書くには導入、賛成、反対、自分の意見の各項目で大体何枚目のどの辺りまで書けばよいのかを確認しましょう。

そしてライティングの課題をする際は、ただのメモ用紙ではなく本番と同じ解答用紙に書くことによって、文字数に意識しながら書けるように練習しましょう。

解答用紙の準備は、telcのホームページで無料で見られる公式問題の35~39ページを印刷するのが一番便利な方法です。

3.2. 複数文を加える

文章を書く際は、ただ単に1文で終わらせるのではなく、細かい説明を加えることを意識して書くと、分かりやすい内容になるのに加えて文字数を稼ぐこともできます。

例えば、インターンの短所として「学生の学業が疎かになる」と言うことを説明するとします。
このことをドイツ語で説明すると、以下のように1文で書けます。

Es kommt nicht selten vor, dass das Studium der Praktikanten vernachlässigt wird, wenn sie ein Praktikum machen.

しかし、この一文だけで終わらせると、説明が短すぎることから分かりにくい文章になる可能性があります。
また、合計で350文字も書かなければならない為、他にも多くの短所を挙げなければならないので面倒です。

このことから、以下のように(一部の人にとっては当たり前の内容ですが)「多くの大学では休暇の後に試験を行う」という内容をつけ足してみます。
In vielen Universitäten finden Klausren erst nach den Semesterferien statt.

また最後にもう一度、短所の内容を詳しく書いて繰り返します。
Wenn die Studierenden viel Zeit bei einem Praktikum während der Ferien verbringen und nicht genug Zeit für Prüfungsvorbereitungen haben, führt es in den meisten Fällen zu schlechten Noten. 

このようにすると、1つの内容について1文ではなく3文も書くことになるので、内容が分かりやすくなるのに加えて、文字数を稼げます。

3.3. 最初は短く、後から詳細を捕捉

文章を書くときには最初の1文は短くコンパクトに書き、その後に細かい説明を付け加えたほうが、読み手に優しい文章になります。

以下の賛成部分の内容を例として見てみます。

まずは1文目で「インターンは学生にとって価値のあるものだと考えている人がいる」と説明します。
Andere Leute behaupten, dass freiwillige Praktika wertvoll für Studenten seien.

そして2文目で「この意見について2つの例を紹介する」と伝えることによって、読者はこれから2つの例を読む心構えができるようになります。

Dazu führe ich zwei Beispiele auf. 

3文目で1つ目の賛成意見を簡単に書きます。

Als erstes, ermöglichen Praktika Studenten ins Berufsleben einzusteigen. 

4文目で3文目に書いた賛成意見の意味を掘り下げます。
Durch eines Praktikum können Studenten berufliche Erfahrungen sammeln, die im Studium nicht existieren. Ausserdem können Studenten wissen, ob die Arbeit ihnen gefällt. Wenn Studenten davon überzeugt sind, dass die Arbeit ihnen gut passt, können sie nachher gut ins Berufsleben einsteigen. 

以上のように最初に概略を示して後から詳しく説明するスタイルで書くことによって、より読み手に対して明確な文章にできます。

3.4. C1相応の単語を正確に

C1相当の単語を使うことばかりが頭にありすぎて、難しい単語を誤った用法で使っていると点数が下がります。

このことから、作文の練習をしているうちに自分が明確に使い方が分かっている、且つどのようなテーマでも使えるような「お気に入り」の単語を決めておき、常に正しい意味で使えるように準備しておきましょう。

寧ろ文章を書くときは、この「お気に入りの語」を使うために文章を1つ付け加えても良いのです。

C1の教科書に書かれている文章を見れば分かるように、全てが全て毎回難しい単語ばかりを使っているわけではありません。
「飲食する」ことを„verzehren“や„einnehmen“などの語ではなく、„essen“を用いて表現する場合もあるのです。
このことから、いくつかの場面でC1レベルの単語を正しく、自然に使えることが大切になります。

私が文章を書く際にできるだけ使うようにした語、正しい性で書けるように気を付けた語を紹介します。

3.4.1. 名詞

die Zahl
die Hinsicht
die Ansicht
die Meinung
die Aussage
die Diskussion
das Thema
die Zunahme
die Abnahme

学校に関する名詞

der Studentは弱変化名詞
der Studierendeは形容詞変化名詞
der Lehrer
der Dozentは弱変化名詞

世の中のルールに関する名詞

der Menschは弱変化名詞
der Bürgerは複数形は3各以外はBürgerのまま
die Leuteは複数形のみ
das Volkの複数形はVölker、複数形3格はnがつく

また大体世の中のルールに関する問題はルールが「新しく制定されるべき」か「廃止されるべき」かという話になるので、以下の動詞を覚えておくと便利です。

abschliessen, einführen,
abschaffen, aufheben

3.4.2. 書き言葉の表現

zu Dativ führen
Dativ zustimmen
mit Dativ einverstanden sein
von Dativ überzeigen
Akk als ...empfinden
Akk für ...halten
sich(4) positiv/negaiv auswirken
in Dativ eine Rolle spielen
zu Dativ beitragen
einen Beitrag zu Dativ leisten
es handelt sich um Akk

3.4.3. その他

特に副詞はものによってはいくつかもの語から構成されていることから、文字数稼ぎに都合が良いです。
私は文字数を稼ぐために、できるだけ副詞を文章に組み込むようにしました。
その結果、多くの内容が大げさな表現になりましたが、文章で大切なのは自分の本意の内容を書くことではなく、既定の文字数に達することなので、気にしませんでした。

ausserdem
Als erstes
zweitens
in der Regel
in den meisten Fällen
heutztage
vor kurzer Zeit
im Vergleich zu/mit
vor allem
aus diesem Grund/ diesen Gründe
ziemlich→形容詞を使うときに一緒に
erheblich→形容詞を使うときに一緒に
wesentlich + comperativ

3.4.4. ポジティブとネガティブな形容詞

形容詞を用いる際には、"gut"や"schlecht"以外の語を用いて表現するように意識していました。

ポジティブ
wertvoll
ideal
günstig
vorteilhaft
optimal
passend
praktisch

ネガティブ
ungünstig 
übel
nachteilig
unpraktisch

3.5. 本意を書くことだけを考えない

最後に、文章を書くにあたって自分の意見を書くことだけを考えないことです。
このテストは自分の本意を書くことが求められているのではなく、C1レベルの語を用いて正しい文法で分かりやすく書くことが求められています。

このことから、自分が言いたいことを全て文章にしようとするのではなく、できるだけ「お気に入り」の語を使って分かりやすく書けるように意識することも大切です。

勿論、自分の意見を文章に書いた方が書きやすいのでそれに越したことはないですが、もし自分の意見が複雑で表現しにくかったり、文章全体の一貫性を乱すような場合は、別の内容を考えて書くようにしましょう。

4. 勉強方法のコツ

4.1. 「清書版」作成して何度も読む

書いた文章を添削してもらった後は、コンピューターに打ち込んで(手書きの場合は解答用紙の紙に)「清書版」を作成し、何度も自分が書いた文章を読み直すようにするのがおすすめです。

その際には、文字数も確認して、少ない場合はどこに何文字付け足したら良いか、多い場合はどこを削ればよいかを考えて完成させましょう。

内容によって以下のようにマーカーで塗っておくと、目立つので覚えやすくなります。

黄色:毎回必ず使う表現、文章
水色:他の文章でもできれるだけ使うようにしたい表現

試験で同じテーマの問題が出る可能性は低いですが、「清書版」を読み直すことでテスト本番で以下の利点があると考えています。

①ひな型の内容が身につく
→迷わずに順序立った構成で書ける
②各段落のボリューム(文章量)の感覚が身につく
→各段落のバランスがとれた文章が書ける、350文字クリアできる
③「C1レベルの語」を逃さずに文章で使える

4.2. 条件を時期によって変える

テスト本番までの時間から逆算して、時期によって課題の書き方を変えていきましょう。

4.2.1. 辞書なし、制限時間なし

最初は辞書を使って、制限時間をかけずに書きましょう。

まずは文章の形式に慣れて首尾一貫した内容の文章が書けるようになることが大切です

このことから、最初から辞書を使わないようにしたり、制限時間をかけてしまうと、「ちゃんとした文章を書く」という目的から外れてしまいます。

4.2.2. 辞書3〜6回、時間を測って

慣れてきたら、辞書を使う回数を3〜6回くらいに制限して、時間を測って書きましょう

辞書を使う回数を制限することで、分からない単語があった際に調べるのではなく、別の語を使ったり内容を変えるなどの別の方法に慣れることができます。

また書く時間を測ることによって、時間を意識しながら書くことができます。

70分以内に書き切らなくてもよいですが、今の自分は文章を書き切るのに何分必要なのかを知ることが必要です。

4.2.3. 辞書1〜2回、70分以内

テストの本番直前は本当にわからなくて必要な語だけ辞書で調べるようにして、それ以外は別の語で乗り切るように練習しましょう。

時間も決めて必ず70分以内に書き切りましょう。

理想は残り5分〜10分くらいを残して見直しできるようになることです。

 

最後の記事では、Sprechenについて説明予定です。

ドイツ語に関する記事のみを見たい場合はこちらからアクセスしてみてください。

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